高等教育ニュース(2026年6月13日ー6月14日)
2026年6月14日(日)版
国内ニュース
設置認可・届出・制度政策
中教審大学分科会第190回の配付資料が公開
概要:文部科学省の中央教育審議会大学分科会ページでは、第190回大学分科会(令和8年6月11日開催)の開催案内・配付資料が掲載されている。大学分科会は、大学制度、質保証、教育研究の在り方など高等教育政策の基礎的論点を扱う場である。
実務上の見方:設置認可・届出案件では、制度改正の議論が申請様式、審査観点、大学のガバナンス・質保証説明に波及する可能性がある。特に令和10年度開設案件では、事前相談前に大学分科会資料の確認を行い、趣旨・養成人材像・教育課程・質保証の説明に反映できるか点検したい。
出典:https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/index.htm
質保証・認証評価・設置計画履行状況
大学機関別認証評価に関する説明会・自己評価担当者研修会を6月25日、29日に実施
概要:大学改革支援・学位授与機構は、大学機関別認証評価に関する説明会および自己評価担当者等に対する研修会の実施を案内している。認証評価の自己点検・評価、根拠資料、内部質保証体制の理解を深める機会となる。
実務上の見方:新設学部・新学科の設置計画では、完成年度後の内部質保証や認証評価への接続を見据えた設計が重要である。設置の趣旨等を記載した書類でも、自己点検・評価、外部評価、改善サイクル、学修成果の把握を形式的記載にとどめないことが望ましい。
出典:https://www.niad.ac.jp/notice/news2026/evaluation2026/entry-6116.html
入試・学生募集・高大接続
年内入試の面接必須化・多面的評価の実質化に関する解説が相次ぐ
概要:Betweenは、2026年度入試における学力評価型の年内入試について、小論文や面接と組み合わせた多面的・総合的評価が求められていること、大学入学者選抜協議会で配点の実質性等が論点になっていることを整理している。旺文社教育情報センターも、年内入試における面接必須化や既存入試の経過措置を解説している。
実務上の見方:学生募集上、年内入試を拡充する場合でも、一般選抜の前倒しと見られない設計が必要である。募集要項では、学力検査・小論文・面接・調査書等の評価割合、評価方法、APとの整合を明確にし、審査時には「多面的・総合的評価の実質性」を説明できるようにする必要がある。
出典:https://between.shinken-ad.co.jp/detail/2026/04/nyushi.html
入試動向・学生確保
旺文社、2026年私立大一般選抜の志願者動向分析を公表
概要:旺文社教育情報センターは、2026年私立大一般選抜の志願者動向分析として、志願者が10%増加し、共通テスト難化を受けて併願を増やす傾向があったこと、全地区で私立大人気が高まり文理ともに増加したことを示している。
実務上の見方:学生確保見通しでは、単年度の志願者増だけで楽観視せず、18歳人口、競合校、入試区分別歩留まり、地域別志願動向を分けて説明する必要がある。特に新学部・新学科では、競合学部との比較に加え、志願者増が自学の入学者確保に直結する根拠を慎重に示したい。
出典:https://eic.obunsha.co.jp/analysis/2026/202606/
大学経営・財務・ガバナンス
Between特集「大学のお金~集め方と使い方」
概要:Betweenは、大学進学者が急速に減少する中で大学経営のかじ取りが厳しくなっているとして、財源確保、予算、教学投資、補助金、学生募集DX等を扱う特集を掲載している。
実務上の見方:設置認可や寄附行為変更認可では、教育研究上の必要性だけでなく、完成年度までの収支見通し、設置経費の財源、学生募集投資、教学改善投資の妥当性が問われる。新学部構想では、「教育の質を保つために何へ投資し、何を見直すか」を中期計画と連動させると説得力が増す。
出典:https://between.shinken-ad.co.jp/detail/2026/04/2026no319.html
大学経営人材・組織運営
新潟大学、大学経営マネジメント人材デザインワークショップを開催
概要:新潟大学J-PEAKSは、6月4日に大学経営マネジメント人材デザインワークショップを開催したと発表した。全20機関からUA/URA、事務職員、人事・企画担当者等が参加し、大学経営人材の育成・活用に関する課題共有を行った。
実務上の見方:大学経営の高度化に伴い、教学・研究・産学連携・財務・IRを横断する専門職人材の位置づけが重要になっている。設置計画では、教員組織だけでなく、教務、学生支援、IR、地域連携を支える事務組織の実効性も説明できるとよい。
出典:https://www.niigata-u.ac.jp/j-peaks/news/1138526/
教育DX・学部新設
昭和女子大学総合情報学部、一期生を迎えた新設学部の特色を紹介
概要:大学ジャーナルオンラインは、2026年4月に一期生を迎えた昭和女子大学総合情報学部について、データサイエンスやデジタル技術の知識に加え、社会実装、ソフトスキル、ビジネス・健康・心理等のドメイン知識を段階的に身につける教育の特色を紹介した。
実務上の見方:情報・データ系学部では、単なる技術教育だけでなく、現場課題を理解し、専門人材と利用部門をつなぐ人材像が差別化要素になる。新設学部の趣旨では、基礎数理・情報技術・実践的課題解決・協働力を一体的に説明することが重要である。
出典:https://univ-journal.jp/column/2026997953/
キャリア教育・資格取得支援
明海大学、公認会計士を目指す「体育会会計研究部」を2027年4月に始動へ
概要:大学ジャーナルオンラインは、明海大学が2027年4月から公認会計士資格取得を目指す「体育会会計研究部」を始動すると報じた。経済学部の授業と連動した学習プログラム、現役公認会計士による指導、入学生への授業料免除制度などが示されている。
実務上の見方:資格取得支援を学部教育と結び付ける場合、正課教育、課外支援、奨学制度、高大連携の役割分担を明確にすることが重要である。経済・経営・会計系学部では、会計専門職志向の学生募集と教育成果の可視化に活用できる事例である。
出典:https://univ-journal.jp/997905/
学生確保・18歳人口減少
2040年には東京の国公立大学も定員割れの可能性との分析
概要:ダイヤモンド教育ラボは、18歳人口の急減により大学入試の「2026年問題」が顕在化し、2040年には東京の国公立大学も定員割れの可能性があるとの見方を紹介した。文部科学省の令和6年度国公私立大学入学者選抜実施状況に基づく分析も示している。
実務上の見方:学生確保資料では、全国的な進学需要の縮小と地域別・分野別の需要を分けて説明する必要がある。特に地方大学や新設学部では、単なる志願者数ではなく、入学意思、競合、定員規模、地元就職・地域連携まで含めた中長期の確保戦略が重要となる。
出典:https://diamond.jp/educate/articles/tera_method/400690/
国外ニュース
国際学生・海外大学展開
インド、海外大学キャンパス誘致でUNSW・ブリストル大学等を承認
概要:インドでは、国家教育政策の下で海外大学の国内キャンパス誘致が進み、ニューサウスウェールズ大学、ブリストル大学、ヨーク大学などに承認が出たと報じられている。海外大学のインド展開は、国際教育市場の多極化を示す動きである。
実務上の見方:日本の大学にとっては、国際学生の獲得競争が欧米・豪州だけでなく、インド等の新興教育拠点も含めて広がることを意味する。海外連携、英語プログラム、ダブルディグリー、現地拠点戦略を検討する際の環境変化として注視したい。
博士人材・研究力
豪州で博士課程学生の生活費支援不足が研究力低下要因として議論
概要:The Guardianは、オーストラリアの博士課程学生の給付型支援が最低賃金を下回る水準にとどまり、博士課程進学者の減少や研究力への影響が懸念されていると報じた。博士課程学生は大学研究の重要な担い手である一方、経済的負担が大きい。
実務上の見方:日本でも博士人材育成、リサーチアシスタント、学費・生活費支援、キャリアパス整備は政策上の重点である。大学院設置・改組では、教育研究環境だけでなく、学生支援と修了後キャリアを含めた博士課程の持続可能性を説明する必要がある。
出典:https://www.theguardian.com/australia-news/2026/jun/14/phd-student-wage-pay-australia-poverty-line
国際学生・大学財務
英国大学、海外学生向け授業料上昇と財務依存が課題に
概要:Financial Timesは、英国の主要大学で海外学生向け授業料が上昇しており、医学系では極めて高額な学費負担となる例を報じた。背景には国内授業料の上限、大学財務の逼迫、国際学生収入への依存がある。
実務上の見方:国際学生収入は大学財務を支える一方、政策変更、為替、ビザ、競合国の動向に左右されやすい。日本の大学でも、留学生募集を財務改善策として位置づける場合は、入学後支援、学修成果、就職支援、学費設定の妥当性を一体で考える必要がある。
出典:https://www.ft.com/content/36e2896c-7813-4980-8222-9cda541df2d6
国際交流・留学広報
欧州留学フェア2026が6月13日・14日に日本で開催
概要:European Higher Education Fair 2026は、6月13日・14日に開催され、日本の学生に欧州留学の魅力を伝えることを目的としている。欧州各国・大学の留学情報に触れる機会となる。
実務上の見方:日本の大学にとっては、受入れ留学生だけでなく、派遣留学、交換留学、短期プログラムの設計も学生募集・教育の魅力化に直結する。国際交流をAP・CP・DPやキャリア形成と結び付けて説明できるかが重要である。
確認した主な情報源
文部科学省、大学改革支援・学位授与機構、Between(進研アド)、旺文社教育情報センター、大学ジャーナルオンライン、新潟大学J-PEAKS、ダイヤモンド教育ラボ、The Guardian、Times of India、Financial Times、European Higher Education Fair等を確認。Yahoo!ニュースは検索対象に含めたが、直接ページは取得制限があるため、同内容を確認できる一次・関連媒体を優先した。
留意事項
本資料は速報整理であり、設置認可・届出・補助金申請・法令対応に用いる場合は、必ず文部科学省等の原典・最新掲載資料で確認してください。新聞・専門媒体の記事は、申請書本文の根拠資料としてではなく、外部環境分析や実務上の参考情報として扱うことが適切です。