高等教育ニュース(2026年5月25日ー5月26日)
デイリー版 2026年5月26日(火)
国内ニュース
大学設置・認可関連
■ 設置届出・収容定員変更:令和9年度開設・変更に向けた5月末受付が接近
文部科学省の受付期間では、令和9年度開設の学部等設置届出および令和9年度変更の収容定員に係る学則変更届出の次回受付が5月28日・29日と示されている。私立大学の収容定員変更認可申請も、8月末認可分の予約期間が5月25日から始まっており、設置実務では教育課程、教員組織、3ポリシー、学位分野、学生確保の説明整合を直前点検する局面に入る。
出典:文部科学省「申請・届出の受付期間」、確認日:2026年5月26日、https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/ninka/1368694.htm
法令・通知・審議会
■ 教育課程部会:総則・評価特別部会第9回を開催へ
文部科学省は、中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会の総則・評価特別部会第9回開催を公表した。高大接続、入学者受入れ方針、初年次教育、探究学習との連続性を検討する大学にとって、次期学習指導要領・評価観点の動向は入試設計やAPの説明にも波及する。
出典:文部科学省 報道発表、2026年5月25日、https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/2026/index.html
■ 外国人児童生徒・日本語指導調査:多文化共生・日本語教育人材養成の基礎資料に
文部科学省は、外国人の子供の就学状況等調査および日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等調査の結果を公表した。大学では、教職課程、日本語教育、地域連携、留学生受入れ後の日本語支援を含む教育体制検討の基礎資料となる。
出典:文部科学省 報道発表、2026年5月25日、https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/2026/index.html
■ 社会教育の在り方に関する特別部会:第18回配布資料を公開
中央教育審議会生涯学習分科会の社会教育の在り方に関する特別部会第18回配布資料が公表された。大学のリカレント教育、公開講座、地域連携センター、自治体連携事業を制度的に位置づけるうえで、生涯学習・社会教育政策の方向性を確認する必要がある。
出典:文部科学省 報道発表、2026年5月25日、https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/2026/index.html
研究・補助金・国際交流
■ JST RISTEX:2026年度社会技術研究開発事業の提案募集を更新
JST社会技術研究開発センターは、2026年度社会技術研究開発事業の提案募集に関し、研究代表者だけでなく共同研究機関を代表する主たる実施者全員について、e-Rad登録および研究インテグリティ情報登録が必須となったことを示した。大学の研究支援部門では、共同研究機関を含む事前登録管理が重要となる。
出典:JST RISTEX、2026年5月25日、https://www.jst.go.jp/ristex/proposal/proposal_2026.html
■ JST:さくらサイエンスプログラム2026年度第1回等の交流計画を採択
JSTは、国際青少年サイエンス交流事業(さくらサイエンスプログラム)の2026年度募集A・B・Cコース第1回およびDコースの交流計画採択を公表した。大学・高専にとっては、国際交流、理工系人材育成、海外高校・大学との接続強化に関わる事業として注目される。
出典:科学技術振興機構(JST)、2026年5月25日、https://www.jst.go.jp/
■ JASSO:海外留学フェア2026の開催を公表
JASSOは「JASSO海外留学フェア2026」の開催を公表した。奨学金実施団体、各国・地域の公的機関、インターンシップや国際機関キャリアに関する情報を含む構成で、大学の国際交流担当部署では学生への留学情報提供、海外派遣支援、奨学金案内の補完資料として活用できる。
出典:日本学生支援機構(JASSO)、2026年5月25日、https://www.jasso.go.jp/
大学経営・学生支援
■ JASSO:奨学金返還に関する自動音声案内を5月26日から実施
JASSOは、2026年5月26日から6月3日にかけて奨学金返還に関する自動音声案内を行うと公表した。単独では注意喚起に近いが、大学の奨学金窓口では卒業生・在学生からの照会、詐欺との混同防止、公式情報への誘導体制を整える実務情報として扱う必要がある。
出典:日本学生支援機構(JASSO)、2026年5月25日、https://www.jasso.go.jp/
国外ニュース
制度・政策
■ 米国:Workforce Pell等を含む高等教育アカウンタビリティ規則が焦点に
米国では、短期職業プログラムをPell Grantの対象とするWorkforce Pellや、卒業後所得に基づくプログラム単位の説明責任規制が高等教育政策の焦点となっている。職業教育・短期プログラム・学位外教育への公的支援設計は、日本の専門職大学、短期大学、リカレント教育の制度比較材料となる。
出典:Federal Register / Higher Ed Dive、2026年5月19日・25日報道、https://www.federalregister.gov/documents/2026/05/19/2026-10013/accountability-in-higher-education-and-access-through-demand-driven-workforce-pell-pell-grant
■ 英国:HEPIが大学AIポリシー96機関調査を公表
英国HEPIは、英国大学のAIポリシーに関する調査を公表し、学生・保護者・規制当局が容易に確認できるAIポリシーを持たない大学が相当数あると指摘した。日本の大学でも、生成AI利用方針、成績評価、学修成果、教員裁量との関係を明文化する必要性が高まる。
出典:HEPI、2026年5月21日、https://www.hepi.ac.uk/
大学経営・財務
■ 英国:大学財政悪化で約4割が赤字見通し
Times Higher Educationは、英国高等教育機関の約4割が今年度赤字を見込むと報じた。学生募集変動、費用増、研究・教育集約型大学の収支圧迫は、日本の私立大学経営でも定員管理、学部再編、固定費管理、撤退・統合判断の比較材料となる。
出典:Times Higher Education、2026年5月14日、https://www.timeshighereducation.com/news/two-fifths-universities-expect-deficits-amid-student-downturn
■ キューバ:燃料・電力不足が大学運営に深刻な影響
Times Higher Educationは、キューバの高等教育相が燃料不足と停電が大学教育・研究に長期的な損害を与えるおそれがあると警告したと報じた。エネルギー、インフラ、政治・経済リスクが大学運営の継続性に与える影響を示す事例である。
出典:Times Higher Education、2026年5月25日、https://www.timeshighereducation.com/news/us-fuel-blockade-brutal-cubas-universities-minister-says
AI・教育実装
■ 米国:Baylor UniversityがAI系修士課程を新設へ
Baylor Universityは、2026-27年度予算の一環として、AI Plusを冠する新たな修士課程の開始を進めると報じられた。AI人材育成を単独技術教育にとどめず、サイバーセキュリティ、倫理、領域別応用を組み合わせる大学院教育の動向として参考になる。
出典:Houston Chronicle、2026年5月25日報道、https://www.chron.com/texas/article/baylor-ai-masters-program-22274436.php
■ 米国:UC Berkeley LawがAI利用制限を強化
UC Berkeley Law Schoolは、AIによる誤った法的推論や架空引用の問題を受け、2026年夏から課題・試験でのAI利用を大幅に制限すると報じられた。専門職教育では、AIリテラシー教育と評価の真正性、職業倫理、学修成果保証のバランスが課題となる。
出典:San Francisco Chronicle、2026年5月23日報道、https://www.sfchronicle.com/politics/article/uc-berkeley-law-school-ai-22271280.php
実務メモ
・本日確認範囲では、文科省発の新規の大学設置認可答申・設置届出受理一覧の公表は確認できなかった。一方、令和9年度変更の収容定員変更認可申請は8月末認可分の予約期間が5月25日から始まっており、設置実務上は重要な節目である。
・国内は、教育課程・評価、外国人児童生徒・日本語指導、生涯学習、研究インテグリティ、国際交流支援が中心で、大学の3ポリシー、教職課程、地域連携、研究支援体制に関係する。
・国外は、短期職業プログラムへの公的支援、AIポリシー、大学財政、AI専門職教育が中心で、国内大学のリカレント教育、AIガイドライン、収支改善策の比較材料となる。
確認対象・出典一覧
・文部科学省 申請・届出の受付期間:https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/ninka/1368694.htm
・文部科学省 令和8年度報道発表:https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/2026/index.html
・JST RISTEX 2026年度社会技術研究開発事業 提案募集:https://www.jst.go.jp/ristex/proposal/proposal_2026.html
・JASSO:https://www.jasso.go.jp/
・Federal Register:https://www.federalregister.gov/documents/2026/05/19/2026-10013/accountability-in-higher-education-and-access-through-demand-driven-workforce-pell-pell-grant
・Higher Ed Dive:https://www.highereddive.com/news/week-in-review-a-flurry-of-new-education-department-rules-and-proposals/821028/
・HEPI:https://www.hepi.ac.uk/
・Times Higher Education 英国大学財政:https://www.timeshighereducation.com/news/two-fifths-universities-expect-deficits-amid-student-downturn
・Times Higher Education キューバ大学運営:https://www.timeshighereducation.com/news/us-fuel-blockade-brutal-cubas-universities-minister-says
・Houston Chronicle Baylor AI修士:https://www.chron.com/texas/article/baylor-ai-masters-program-22274436.php
・San Francisco Chronicle UC Berkeley Law AI利用制限:https://www.sfchronicle.com/politics/article/uc-berkeley-law-school-ai-22271280.php
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