高等教育ニュース(2026年6月23日ー6月24日)
デイリー版・拡大再検索 対象期間:2026年6月23日(火)8:00 ~ 2026年6月24日(水)8:00
■ 国内ニュース
①【設置認可・届出・設置者変更・事前相談】
・44校が2027年度開設へ、文科省が大学設置届出を受理
概要:文部科学省が2027年4月開設予定の大学の学部等に関する設置届出を受理したことを、先端教育オンラインが整理した。公私立大学・短期大学・大学院を合わせて44校が対象で、学位の種類・分野を変更しない一定の要件を満たす場合に届出で設置できる制度の動きである。設置認可案件との違い、届出後の学生募集、既設組織との整合説明を確認する材料になる。
・滋賀県立高等専門学校(設置構想中)、2028年4月開校を目指す事例紹介
概要:教育家庭新聞は、滋賀県初の高専として構想されている滋賀県立高等専門学校について、2028年4月開校を目指す動きとして紹介した。高専設置は理工・デジタル人材育成、地域産業との接続、県立学校再編と高等教育政策の接点に位置づくため、大学・短大の設置再編を検討する際にも比較対象となる。
実リンク:教育家庭新聞(2026年6月24日)
②【法令・通知・Q&A・手引】
・2027年度大学入学共通テスト「受験案内」公開、Web出願は9月15日開始
概要:大学入試センターが2027年度大学入学共通テストの「受験案内」と「受験上の配慮案内」を公開したとReseEdが報じた。Web出願サイトのマイページ作成は7月1日、出願は9月15日からで、顔写真登録方法の改善、不正行為規定の厳格化、インターネット出願ができない志願者への対応明確化などが示されている。大学の入試広報・受験生向け案内の更新が必要となる。
実リンク:ReseEd(2026年6月23日)
・年内入試で面接を必須化、学力評価型はバランスの取れた配点へ
概要:Betweenは、2027年度大学入学者選抜実施要項をめぐり、総合型選抜・学校推薦型選抜における面接必須化、学力評価型年内入試の多面的・総合的評価の実質化を解説した。実質的な「一般選抜の前倒し」と見られないよう、個別テスト、調査書、志望理由書、面接等の評価設計を点検する必要がある。
・「入試における多様な評価」に関する進研アドの調査研究成果を公表
概要:進研アドは、入試における多様な評価に関する調査研究成果を公表した。小論文、面接、主体性評価、学力の3要素の評価設計に関する実務的な課題が示されており、年内入試見直し、面接評価の標準化、採点ルーブリック整備を検討する大学にとって参考となる。
③【質保証・認証評価・設置計画履行状況】
・中央教育審議会大学分科会質向上・質保証システム部会(第10回)開催案内
概要:文部科学省は、6月29日に質向上・質保証システム部会第10回をWEB会議で開催すると公表した。議題は「新たなデータプラットフォームにおける情報公表」「『新たな評価』を踏まえた質保証の在り方」等である。設置認可、認証評価、学修成果の可視化、情報公表実務に影響し得るため、配付資料公開後の継続確認が必要である。
実リンク:文部科学省(2026年6月23日)
・「新たな評価」の案がまとまる、2030年導入に向け具体的な制度設計へ
概要:Betweenは、大学の新たな評価制度について、制度適合確認から教育の質向上へ重心を移す改革案を解説した。DPの実質化、学修成果の可視化、IRによるデータ活用、情報公表の一元化が大学経営・教学運営の中核課題となる。認証評価対応を単なる書類対応ではなく、教育価値を社会に示す仕組みとして整備する必要がある。
④【大学経営・財務・ガバナンス】
・静岡英和学院大学短期大学部、食物栄養学科を2027年度以降募集停止
概要:静岡英和学院大学短期大学部は、食物栄養学科の2027年度以降の学生募集停止を決定したと報じられた。定員割れの継続が背景とされ、静岡県内の栄養士養成施設がなくなる点も論点となる。短大系学科の需要変化、専門職養成機能の維持、在学生保護、法人内資源再配分を確認すべき事例である。
・聖カタリナ大学短期大学部、2028年度以降の募集停止へ
概要:聖カタリナ大学短期大学部は、2028年度以降の学生募集停止を決定したと報じられた。志願者減少と定員割れが背景とされ、2027年度入試が最後の募集となる。地域の保育者養成を担ってきた短期大学部であり、教育環境、進路支援、教職員配置、法人全体の教育資源再編が重要となる。
・デジタル時代の「公教育」、理数教育充実と高専設置促進を高等教育局長が講演
概要:教育家庭新聞は、合田哲雄・文科省高等教育局長による講演として、2040年を見据えた大学機能強化と量的規模適正化を紹介した。2034年度以降の18歳人口急減を踏まえ、高校教育改革と大学教育の構造改革を一体で進める必要性が示されている。大学経営上は、定員管理、学部構成、ST比、地域配置の再検討が避けられない。
実リンク:教育家庭新聞(2026年6月24日)
⑤【教育改革・AI・DX】
・EDIX2026講演、2040年を見据えた高等教育改革と大学の量的規模適正化
概要:ReseEdは、EDIX2026での文部科学省担当者による講演内容として、大学の量的規模適正化総合施策、理工・デジタル分野への重点化、人文・社会科学系学部のダウンサイジング、ST比改善、文系学生への数理・デジタルリテラシー習得等を紹介した。設置構想では、社会的需要と教育研究組織の整合性をより明確にする必要がある。
実リンク:ReseEd(2026年6月23日)
・京都先端科学大学、バイオ環境学部20周年と世界環境デーの記念イベントを開催
概要:京都先端科学大学バイオ環境学部は、学部開設20周年と世界環境デーに合わせたイベントを開催し、学生・教職員約180名が参加したと報じられた。学部の教育理念を環境教育・学生参画・広報に結びつける取り組みであり、学部ブランド形成や周年事業と教育活動の連動事例として参考になる。
実リンク:リセマム(2026年6月23日)
・昭和女子大学、高校生向けサイエンスプログラムを8月開催へ
概要:昭和女子大学は、日本学術振興会「ひらめき☆ときめきサイエンス」事業として、高校生向けサイエンスプログラムの参加者募集を行うと報じられた。高校生に大学の研究活動を体験させるプログラムであり、高大接続、女子生徒の理系進路支援、研究成果の社会還元を組み合わせた広報・教育活動と位置付けられる。
⑥【学生支援・入試・国際化】
・東京経済大学、留学生と地元中学校による多文化共生の国際交流イベントを実施へ
概要:東京経済大学の留学生・日本人学生で構成する国際交流・多文化共修チューターが、国分寺市立第一中学校の生徒を大学に招き、国際交流イベントを行うと報じられた。地域連携、留学生支援、多文化共修、高大・中大接続を組み合わせた取り組みであり、国際化の地域還元事例として参考になる。
実リンク:大学ジャーナルオンライン(2026年6月24日予定)
・海外大学10校以上に合格した高校生の事例、国際教育・サイエンス教育の支援を紹介
概要:リセマムは、三田国際科学学園の卒業生が海外大学10校以上に合格し、全額奨学金を得て米国大学に進学する事例を紹介した。高校側の記事ではあるが、海外大学進学支援、リベラルアーツ志向、国際教育とサイエンス教育の連動は、国内大学の国際化・入試広報にとっても競合環境として把握しておきたい。
実リンク:リセマム(2026年6月23日)
・東京医科大学病院、子ども医学講座を開催へ
概要:東京医科大学病院は、小学5年生から中学3年生と保護者を対象に医学体験講座を開催する。医療職を目指すきっかけづくり、地域への教育貢献、将来の医療人材裾野拡大に関わる取り組みであり、医療系大学の社会貢献・入学前接続の実践として位置付けられる。
実リンク:リセマム(2026年6月23日)
⑦【研究・補助金・連携】
・産業・科学革新人材事業(INSIGHT)ガバニングボード第1回議事録を公表
概要:文部科学省は、産業・科学革新人材事業(INSIGHT)ガバニングボード第1回会合の議事録を公表した。令和7年度補正予算270億円の基金を活用し、研究開発と人材育成を一体的に支援する事業で、採択大学は毎年度の進捗報告、3年後の中間評価、6年後の事後評価が予定される。博士人材、産学連携、大学の自走化が焦点となる。
・芝浦工業大学と北海道別海町が包括連携協定を締結
概要:芝浦工業大学と北海道別海町は、地域社会の発展に寄与するための包括連携協定を締結した。デザイン工学部を中心に、人間中心デザインの知見を活用し、標識デザイン統一、町営スケートリンク再生、道の駅・郷土資料館活性化等の協働プロジェクトを進める。地域課題を教材化するPBL・社会実装型教育の事例である。
・東京経済大学、1928年発行の『大倉高商新聞』創刊号を発見
概要:東京経済大学の前身である大倉高等商業学校時代の学生新聞創刊号が発見されたと報じられた。大学史・建学の精神・教育理念の検証に関わる一次資料の発見であり、周年史編纂、大学ブランド形成、アーカイブ整備、学生文化史研究の観点から注目される。
・学生団体GEIL、第一次産業をテーマに政策立案イベントを開催
概要:先端教育オンラインは、学生団体GEILが大学生・大学院生向けに政策立案イベントを開催した事例を紹介した。第一次産業をテーマに、現状分析、政策目標設定、施策立案、発表までを行う実践型学習であり、PBL、社会課題解決、政策教育、大学横断型の人材育成として参考になる。
⑧【専門学校の制度改革】
・奈良リハビリテーション専門学校、アセスメントで学力・意欲を継続把握
概要:Betweenは、奈良リハビリテーション専門学校がアセスメントを活用し、学力・意欲を継続的に把握して改善施策を実施している事例を紹介した。専門学校記事ではあるが、入学前教育・初年次教育・リメディアル・退学予防をデータで接続する実践として、大学・短大にも応用可能な論点を含む。
■ 国外ニュース
〇【米国:留学生政策・在留資格】
・Duration-of-Status Rule Change Clears White House Review
概要:米国で、留学生等の在留期間をめぐるDuration of Status見直しがホワイトハウス審査を通過したと報じられた。最終政策では、4年を超えて滞在する留学生に延長申請を求める可能性がある。日本の大学にとっても、米国留学、共同学位、研究者交流、派遣学生支援に影響し得る制度環境として把握しておきたい。
実リンク:Inside Higher Ed(2026年6月23日)
〇【米国:大学アクセス・移民政策】
・Undocumented students could soon lose access to public higher ed in Florida
概要:フロリダ州の高等教育当局が、不法移民学生の州立大学入学を制限する提案を検討すると報じられた。2027-28年度から適用される可能性があり、大学アクセス、州の公的資源配分、移民政策と高等教育の関係が論点となる。留学生政策だけでなく、国内学生の進学機会にも政策が大きく影響する事例である。
実リンク:Axios(2026年6月23日)
〇【英国:進学基準・リカレント教育】
・A more integrated education system would benefit all
概要:英国では、大学進学ローンの利用にGCSE英語合格等の最低基準を設ける案をめぐり、Open University学長が包摂的な高等教育制度の必要性を論じた。非伝統的な学習経路、社会人の学び直し、障害・介護・経済的困難等を抱えた学習者の機会保障が焦点であり、日本のリカレント教育や入学者選抜改革にも通じる。
・Grade requirement for student loans would cut a financial lifeline for English universities
概要:英国で検討される学生ローン利用基準の厳格化について、大学財政と進学機会への影響を整理する記事。非伝統的な入学者を受け入れる大学の財政基盤、社会人・低所得層のアクセス、フランチャイズ教育等に影響が出る可能性が指摘されている。日本でも、学修成果保証と進学機会保障のバランスを考える材料となる。
〇【米国:学生支援・ウェルビーイング】
・How One College Addresses Food Insecurity Through Urban Agriculture
概要:University of Daytonの学生運営型農場が、食料不安を抱える学生や地域住民への支援と実践的学習を両立している事例として紹介された。学生支援を単なる福祉的対応にとどめず、地域連携、サービスラーニング、サステナビリティ教育と結びつける実践として参考になる。
実リンク:Inside Higher Ed(2026年6月23日)
〇【米国:高等教育財政・国際学生】
・The state of international enrollment in 6 charts
概要:Higher Ed Diveは、米国の国際学生登録状況を図表で整理し、ビザ政策の厳格化等が外国人留学生の動向に影響していると報じた。日本の大学にとっても、米国留学・国際学生獲得競争・共同教育プログラムの外部環境として確認しておきたい。
実リンク:Higher Ed Dive(2026年6月8日)
■ 補足メモ
・今回は記事数を確保するため、対象期間内の記事に加えて、直近1週間程度の高等教育実務上重要な記事を追加しました。デイリーの速報性を維持しつつ、設置認可、入試、質保証、大学経営に関係するものを優先しています。
・短大・短期大学部の募集停止記事は、単独の経営判断に見えても、地域専門職人材の供給、在学生保護、教職員配置、法人内資源再配分、将来の学部改組と連動して確認する必要があります。
・質保証システム部会の「新たなデータプラットフォーム」と「新たな評価」は、認証評価対応だけでなく、設置認可申請書、DP・CP・AP、学修成果の可視化、情報公表の整合性に影響し得るため、配付資料・議事録公開後に改めて確認する価値があります。
・入試関連では、共通テストのWeb出願、年内入試の面接必須化、多面的評価の実質化が同時に進んでいます。募集要項、評価基準、面接ルーブリック、入学前教育との接続を一体で見直すことが望まれます。
・海外では、留学生政策・大学アクセス・学生支援・大学財政をめぐる政策変更が続いています。国際化戦略や海外提携を検討する大学では、制度変更リスクを継続監視する必要があります。
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