高等教育ニュース(2026年7月6日ー7月7日)
デイリー版:2026年6月27日
【国内ニュース】
■ ①【設置認可・届出・設置者変更・事前相談】
〇 開智学園、「開智大学」の開学記者発表会を6月30日に開催
・学校法人開智学園は、開智国際大学と東京福祉大学を統合し、2027年4月に新大学「開智大学」を開学する構想について、2026年6月30日に開学記者発表会とトークセッションを開催する。
・記事では、設置者変更の認可申請中であること、AI共存社会における大学の存在意義を発信することが示されている。
・大学統合、設置者変更、新大学構想、AI時代の大学の役割を結び付けて発信する点で、今後の大学再編事例として注目される。
■ ②【法令・通知・Q&A・手引】
〇 文部科学省、「トビタテ!留学JAPAN」大学生等対象の第18期派遣留学生の選考結果を公表
・文部科学省は、2026年6月26日付で、官民協働海外留学支援制度「トビタテ!留学JAPAN 新・日本代表プログラム」大学生等対象の2026年度第18期派遣留学生の選考結果及び壮行会の開催について公表した。
・報道発表一覧では、応募者数が前年度から約2割増加したことが示されている。大学生等の海外留学意欲の回復・拡大を示す動きとして注目される。
・大学側にとっては、留学支援、国際化、学生募集広報、グローバル人材育成の観点から確認しておきたい情報である。
■ ③【質保証・認証評価・設置計画履行状況】
〇 文部科学省、「教育・学習の質向上に向けた新たな評価の在り方WG」第10回議事録を掲載
・文部科学省の審議会新着情報において、2026年6月26日付で「教育・学習の質向上に向けた新たな評価の在り方ワーキンググループ」第10回議事録が掲載された。
・直接的には初等中等教育を含む評価制度の議論であるが、教育成果の把握、学修者本位の教育、評価の可視化という観点では、高等教育の質保証にも通じる論点を含む。
・今後、大学においても学修成果の可視化、内部質保証、教学マネジメントとの関係で参考になる可能性がある。
■ ④【大学経営・財務・ガバナンス】
〇 大学統合・新大学構想において、AI時代の大学の存在意義を発信
・開智学園の新大学構想では、AI共存社会における新しい教育と人づくりをテーマに、大学の存在意義と使命を発信するトークセッションが予定されている。
・少子化、大学再編、AIによる社会変化が重なる中で、大学が単なる組織統合にとどまらず、教育理念や人材育成方針をどのように再定義するかが重要になる。
・設置認可・設置者変更の文脈では、名称、学部構成、教育課程、人材像、社会的必要性の整合性が問われるため、広報発信と申請書類上の説明の一致にも注意が必要である。
■ ⑤【教育改革・AI・DX】
〇 大学入試2027研究会、「大学入試戦線、異状あり」を7月16日に開催
・大学ジャーナルオンラインは、2026年度入試における志願者数の変動を踏まえ、2027年度入試を展望する研究会の開催を報じた。
・東洋大学、法政大学、大東文化大学、桜美林大学など、2026年度入試で注目された大学の動向を取り上げ、2030年に向けた大学間競争を議論する内容となっている。
・年内入試、一般選抜、志願者動向、都市部私立大学の競争環境を考えるうえで、学生募集・入試広報関係者にとって重要なテーマである。
■ ⑥【学生支援・入試・国際化】
〇 JASSO、奨学金返還に関する自動音声案内の実施を告知
・日本学生支援機構は、2026年6月26日から7月6日にかけて、奨学金返還に関する自動音声案内を行う旨を告知している。
・対象は、給付奨学金の返還が必要となった方で、口座振替(リレー口座)への加入が確認できていない方とされている。
・大学としては、学生・卒業生が不審な連絡と誤認しないよう、JASSO公式情報の確認を促すことが望ましい。
■ ⑦【研究・補助金・連携】
〇 文部科学省、科学技術・学術関係の審議会情報を更新
・文部科学省は、2026年6月26日付で、原子力損害賠償紛争審査会の開催案内など、科学技術・学術関係の情報を更新している。
・高等教育機関に直接関係するものばかりではないが、工学系・理工系教育、研究ガバナンス、産学連携に関係する大学では継続的な確認が必要である。
■ ⑧【専門学校の制度改革】
〇 本日確認範囲では、専門学校制度改革に関する大きな新規情報は限定的
・本日確認した範囲では、専門学校制度改革に直結する新たな主要発表は見当たらなかった。
・ただし、高等教育の修学支援新制度、奨学金、職業教育、地域人材育成に関する情報は、大学・短大・高専・専門学校を横断して影響するため、引き続き確認が必要である。
【国外ニュース】
■ ①【高等教育政策・財政】
〇 米国で「エンロールメント・クリフ」と大学閉鎖リスクへの警戒が強まる
・Reutersは、米国高等教育において、18歳人口の減少、授業料収入の低下、運営費上昇、規制対応、大学価値への不信が重なり、財務的に脆弱な大学の閉鎖リスクが高まっていると報じた。
・同記事では、2013年から2023年までに726の学位授与機関が閉鎖され、その多くは営利大学であったことが示されている。
・日本の私立大学経営においても、少子化、定員未充足、財務余力、地域人口減少が重なる構造は共通しており、早期の再編・連携・撤退戦略の検討が重要である。
■ ②【AI・研究評価】
〇 Times Higher Education、AIエージェントが研究助成審査に与える影響を報道
・Times Higher Educationは、より高度なAIエージェントの普及が、研究助成の配分・審査方法に大きな影響を与える可能性を報じている。
・AIエージェントは、情報収集、判断、作業生成を一定程度自律的に行えるため、研究計画書作成、ピアレビュー、審査負担、評価の公平性に関わる問題を生じさせる可能性がある。
・今後は、生成AIの活用を前提に、研究倫理、透明性、審査基準、AI利用申告のルール整備が必要になる可能性がある。
■ ③【豪州・大学政策】
〇 豪州で大学財政・学生支援をめぐる新たな政策提案に賛否
・Times Higher Educationは、豪州の大学資金配分をめぐる政策提案について、評価と反発の双方が出ていると報じている。
・豪州では、大学進学機会の拡大、地域・低所得層支援、政府による学生定員管理、大学財政の持続可能性が重要論点となっている。
・日本における修学支援、地域大学支援、成長分野転換支援、大学定員管理の議論とも比較しやすいテーマである。