高等教育ニュース(2026年6月27日ー6月28日)
デイリー版:2026年6月28日(日)|対象期間:原則 2026年6月27日 8:00〜2026年6月28日 8:00
【国内ニュース】
■ ①【設置認可・届出・設置者変更・事前相談】
〇 人間環境大学、2027年4月「人間・動物行動科学科」を新設
・人間環境大学は、2027年4月に環境科学部内へ「人間・動物行動科学科」を新設する。入学定員は40名で、動物行動科学・人間行動科学・社会環境科学・情報科学を組み合わせた実践型カリキュラムを構成する。学科新設における分野横断型・データサイエンス活用型の設計例として注目される。
・出典:大学ジャーナルオンライン
〇 椙山女学園大学、2028年4月「文化プロデュース学環(仮称)」を新設構想
・椙山女学園大学は、2028年4月に「文化プロデュース学環(仮称)」を開設する構想を発表した。複数の学部が連携して教育課程を編成する「学環」として、ポップカルチャー、エンターテインメント、ライフスタイルの3フィールドを横断的に学ぶ内容。学部等連係課程・学環型教育の私立大学における展開例として参考になる。
・出典:大学ジャーナルオンライン
〇 開智学園、開智国際大学と東京福祉大学を統合し「開智大学」開学構想
・学校法人開智学園は、開智国際大学と東京福祉大学を統合し、2027年4月に新大学「開智大学」を開学する構想を進めている。現在、設置者変更の認可申請中とされ、6学部構成で教育・心理・福祉・保育・国際教養等の分野を展開する予定。大学統合、設置者変更、AI時代の大学の使命を結び付けた発信として、大学再編事例の一つとなる。
・出典:大学ジャーナルオンライン
■ ②【法令・通知・Q&A・手引】
〇 文部科学省、6月26日付の教育・科学技術関係新着情報を更新
・文部科学省は、6月26日付で「トビタテ!留学JAPAN 新・日本代表プログラム」大学生等対象の選考結果、教育課程関係ワーキンググループ、人権教育・啓発施策、技術士分科会議事録等を掲載した。本日確認範囲では、大学設置認可・届出の手引に直接関係する新規通知は限定的であるが、国際化・研究人材・教育政策の周辺情報として確認しておきたい。
・出典:文部科学省
■ ③【質保証・認証評価・設置計画履行状況】
〇 文部科学省、「大学分科会質向上・質保証システム部会」第10回の開催案内を掲載中
・文部科学省の新着情報では、6月23日付で中央教育審議会大学分科会質向上・質保証システム部会(第10回)の開催案内が掲載されている。内部質保証、認証評価、学修成果の可視化、質保証システムの再設計に関する議論は、今後の大学設置・届出実務にも影響し得る。
・出典:文部科学省
■ ④【大学経営・財務・ガバナンス】
〇 大学統合・学部等連係課程・キャンパス再編が同時進行する局面へ
・本日確認した国内記事では、開智学園の大学統合、椙山女学園大学の学環構想、人間環境大学の新学科構想が並んだ。少子化の中で、単なる定員拡大ではなく、既存資源の再編、教育課程の横断化、キャンパス機能の見直し、ブランド再構築を伴う改革が進んでいる。設置認可・届出実務では、名称、人材像、学位分野、教育課程、教員組織の整合性が一層重要になる。
・出典:大学ジャーナルオンライン
■ ⑤【教育改革・AI・DX】
〇 人間・動物行動科学科、行動データと情報科学を組み合わせたカリキュラムを提示
・人間環境大学の新学科構想では、動物と人間の行動データを扱い、心理学、環境学、経営、AI・ビッグデータ等を横断する教育が示されている。データサイエンスを単独分野として置くのではなく、行動科学・環境科学・社会課題解決と接続する設計は、文理融合型カリキュラムの説明例として参考になる。
・出典:大学ジャーナルオンライン
〇 開智大学構想、AI共存社会における大学の使命をテーマ化
・開智学園の開学記者発表会では、「AI革命は自分を作るチャンス〜人の役割が変わる時代の大学改革」をテーマにしたトークセッションが予定されている。AI時代における大学の存在意義を、教育理念・人材育成・広報戦略の中心に置く動きとして注目される。
・出典:大学ジャーナルオンライン
■ ⑥【学生支援・入試・国際化】
〇 JASSO、奨学金返還の口座加入手続きに関する自動音声案内を実施
・日本学生支援機構は、2026年6月26日から7月6日にかけて、奨学金返還の口座加入手続きに関する自動音声案内を行う旨を掲載している。大学の学生支援部門では、卒業生・返還予定者からの照会に備え、公式情報を案内できるようにしておきたい。
・出典:日本学生支援機構
■ ⑦【研究・補助金・連携】
〇 新潟医療福祉大学、クライシスプランの活用法を研究成果として報告
・新潟医療福祉大学の研究では、精神疾患のある患者が不調時の対応を本人と支援者で共有する「クライシスプラン」について、病状管理にとどまらず、リカバリーを支える手段としての可能性が示された。医療・福祉・心理系教育において、共同意思決定、地域移行支援、退院支援を考える教材としても活用可能性がある。
・出典:大学ジャーナルオンライン
■ ⑧【専門学校の制度改革】
〇 本日確認範囲では、専門学校制度改革に関する大きな新規情報は限定的
・本日確認した範囲では、専門学校制度改革に直結する新たな主要発表は見当たらなかった。ただし、奨学金、職業教育、地域人材育成、修学支援制度に関する情報は、大学・短大・高専・専門学校を横断して影響するため、継続確認が必要である。
・出典:文部科学省
【国外ニュース】
■ ①【高等教育政策・財政】
〇 豪州、留学生受入れ規制のさらなる強化に懸念
・Times Higher Educationは、豪州で国際学生の受入れ規制がさらに強まる可能性があると報じた。豪州政府は、Australian Tertiary Education Commission(Atec)に各大学・高等教育機関の海外学生数に関する割当設定権限を与える法案を進めており、ビザ審査の厳格化も留学生市場に影響している。留学生依存度の高い大学経営にとって、政策リスクが大きな経営課題となっている。
■ ②【AI・研究評価】
〇 AIエージェントと研究助成審査の変化が国際的論点に
・Times Higher Educationでは、AIエージェントが研究助成申請・審査の在り方に与える影響が取り上げられている。研究計画書作成、ピアレビュー、審査負担、公平性、AI利用申告のルールなど、大学の研究支援部門・URAにとって今後重要性が増す論点である。
■ ③【国際化・留学生政策】
〇 留学生政策は「教育政策」から「移民政策・住宅政策」と連動する段階へ
・豪州の事例では、留学生受入れが大学財政だけでなく、移民統計、住宅問題、労働市場、選挙政治と結び付いて議論されている。日本の大学にとっても、留学生募集を拡大する場合、教育の質保証、在留管理、生活支援、地域社会との関係を一体的に設計する必要がある。
【実務上の注目点】
・本日分では、学科新設、学環構想、大学統合という「組織再編型」の記事が目立つ。いずれも、教育課程上の新規性だけでなく、名称・人材像・学位分野・教員組織・学生確保の整合性が問われるため、設置認可・届出書類では広報上の訴求と申請書類上の論理を一致させることが重要である。